「とうとう…… 会っちゃったね。」 深雪がそう言った。 二度と会いたくなかった。 私の世界で一番嫌いな人。 さっきからとめどなく沸き上がる気持ちが既に私の身体中に広がっていた。 哀しさ、苛立ち、恥ずかしさ、嫌悪感 ぶり返さないよう 厳重にしまっておいたのに あいつと再会した瞬間に全部吹き飛んだ。 「深雪。ドーナッツ屋さんはまた今度でいい?」 「うん……」 「バイバイ」 ずっと握っていた深雪の手を離した。