「ハハッ…ひでー嫌われようだな。」 「当たり前でしょ!もう話しかけてこないで。」 目線も合わせず、私はまた歩き出した。 お腹の中から次々と嫌なものが沸き上がってくる。 もっと早く歩かなきゃ。 もしかしたらすぐ後ろにいるかもしれない。 「恵麻っ!」 「え……」 深雪の声で我に返った。 「ずっと呼んでるんだけど。ボーッとしすぎ。」 「ごめん……」 でも私は早歩きをやめなかった。