「一睡もできなかった。」


「ギャッハハハハハ」


鎌倉小旅行2日目の朝

寝不足でイラつく俺を豪快に笑い飛ばす滝沢を殴る。



「いってぇ…

ま、お前も苦労してんのな。」


上から目線でさらにいらっとする。


「チッ…」


「舌打ちやめろやー」




そりゃ離してるとは言っても、所詮同じ部屋のなかで恵麻が寝ているわけで…。


欲との葛藤でろくに寝ていない。


恵麻はと言うと、もちろん気持ち良さそうに寝息を立てていた。