「光樹…くん…」 「久しぶり。」 「久しぶり…」 光樹くんはチラッと葵の方を見た。 「もしかして…「俺ら、付き合い始めたから。」 「………」 少しの沈黙のあと、光樹くんは少し寂しそうに笑った。 「良かったな、恵麻。」 「…っ…」 「ずっと想ってただろ?」 「うん…」 「っ恵麻、行くぞ。」 葵に手を引っ張られるが、私は踏みとどまった。 「待って。お願い。」 いつもなら怒るはずなのに、葵は素直に待ってくれた。