「あの!葵くん!!」


「"くん"?」


「実は、お願いがありまして…」



えっと、服の裾を掴むんだっけ。



私は葵のシャツの端をつまみ、上を見上げた。



「深雪たちと一緒に旅行行かない?」



「…………」



沈黙やめてー!



「葵…さま?」



葵はハーッと大きくため息をついた。



「俺、それはどう受けとればいいわけ?」


「え、言葉通り…」


「誘惑にしかとれねぇ。」


「はい!?」



葵は顔を真っ赤にしていた。

本気で思ってんの!?