「俺も…。 お前以外の女、好きになったことない。」 嘘…。 目の前が涙で霞む。 こんな幸せなことって この世にあるんだ。 自分が透明になったみたい。 空気が頭のてっぺんから足先まで軽やかに抜けてく。 自分が浄化されてく。 「ありがとうっ……」 私の涙が落ちないように葵が指で掬った。 それでも涙が止まらない私を見て、 「しょうがねぇな」 と言って、また抱きしめてくれた。 大嫌いな幼なじみと再会した場合⑪ 8年越しの両想いが叶う。