「このままじゃ真田、誰かに取られちゃうよ?」


「もういい…」


「じゃあもう真田のこと好きじゃないの?」


「…………」



好きじゃないわけないじゃん。

大好きだよ。

何年間好きだと思ってんの!



「ほらね、やっぱり好きじゃん。」


「深雪にも話したじゃん。お見舞いの日のこと。

私、これ以上傷ついたら…」


「バカ!!!」







深雪が真剣な顔で怒鳴るから、ちょっとビックリした。




「真田が傷ついてないとでも思ってんの?」


「え……」


「真田がそんなこと言うなんて、絶対意味があるでしょ。

それとも、真田が恵麻を傷つけるためにそんなこと言う人だと思うの?」


「そんなことは…しないけど…」



葵が優しいのは私が誰より一番分かってる。