「ご両親は?」 「どっちも仕事。夜までいない。」 「ご飯は?お粥とか作ろっか?リンゴもあるけど」 「リンゴ。食いたい。」 なんか、葵が子供みたいだ。 思わずクスッと笑ったら、睨まれた。 「分かった。部屋で待ってて。」 「サンキュー」 葵、珍しく本当に弱ってるな。 滅多に風邪引かない分、今全部くらってるのかも。 私は素早くリンゴの皮を剥き、葵の部屋へ向かった。