私の両手首は葵の片っぽの手によってひとつにまとめられ、身動きがとれない。
「葵!」
「ねぇ、あのあと元カレとは連絡とってる?」
「え……」
あのあとって…深雪と3人でクレープ食べた日のこと?
「取って……ない。」
「まだ好き……?」
チクッ…
私の胸に罪悪感がささった。
『まだ』好き
違う。最初から…光樹くんのことは男の子としては好きじゃなかった。
そのせいで彼を傷つけた。
「…………」
「なんで答えないの」
「答える資格なんてないし。」
「資格?てっきり『葵に言う義務はない』とかって言うと思った。」
「それもそうだね。」
「あーうぜ。」
私は葵から目をそらした。



