「あ……お…」



葵は私の顔を見ると、

髪に触れていた手で私の顎を引き上げた。




「顔真っ赤じゃん。

俺のこと嫌いなんじゃなかったっけ?恵麻」


「っっ…」





「何黙ってんの。いつもの悪態は?」


「わ、私…」



言え!

もう嫌いじゃない、って。


また友達に戻ろう、って。




「何。」



「もう……嫌いじゃない……よ」



「え…」



「一緒にいるうちに嫌いじゃなくなった。

だから……また、友達に……もど」



言い終わる前に私はすっぽりと葵の腕のなかに収められた。