「真田……」 人気が少ない公園まで歩いてくると、葵は歩みを止めた。 「なんであんなひどいこと言うの?」 「お前の元カレだから。」 「理由になってないし。」 「なんであんなやつに…」 「え……」 気づいたときには、私の体は葵の腕の中に収まっていた。 やっぱり柑橘系の匂いがする… 「真田…離して……」 もはやそんなこと思ってないけど、 癖でつい悪態が出てくる。 私の言うこととは逆に 葵は右手で私の後頭部をさらに強く自分に引き寄せた。