無事三人ともクレープを買い、近くのベンチに座った。
「美味しい…」
「あ~、幸せ~」
「恵麻、一口よこせ。」
「……うん。」
約束した手前仕方なく、葵とクレープを交換する。
葵が買ったのチョコバナナだ。
私が二番目に食べたかったやつ。
パクリと一口食べると、やっぱりおいしい。
もう一口食べたい…。
さすがに悪いか…
「もう一口食いたいの?」
「え……」
「物足りなそう。」
葵は楽しそうに笑っている。
「だ…大丈夫だし。」
「食えばいいじゃん。なに遠慮してんの。きもー。」
「ちょ!キモい要素ないでしょ!」
「早く食え。」
「…………うん……」
もう一口食べると、チョコバナナの甘味が再び口に広がった。



