「何、言ってるの?
真田は私になんの感情も持たずにキスできちゃう人なんだよ。
私は……失恋したのに。」
教室で泣くわけにはいかなくて、無理して笑顔を作った。
「なんでその一択かな…。」
「え?」
「どうして真田が恵麻に本気でキスしたって思わないわけ?」
「…………」
あのキスが
本気だった……?
「っということで!!
今から真田のこと誘いにいくー!!」
「ちょ、待って……」
深雪を引き留めようとした時にはもう遅く、
その背中は教室の入り口を出ていってしまった。
「嘘でしょ……」
お願い!
断って、葵!



