ある日、二人で教室に残って受験勉強をしていた日のことだった。
「恵麻は第一志望、東高校だよな。」
「うん。第二志望はちゃんと光樹くんと同じ南高だから安心して!」
「恵麻の学力なら東高校行けるって。」
「……。」
「どした?」
私は口をぎゅっと結んで光樹くんを見た。
「光樹くんと別の高校に…なっちゃうの?」
「……俺、バカだし。
でも、恵麻が望むなら……」
「…っ……望む!望むよ!!」
私がそう言うと、光樹くんは真っ赤になった顔を手で押さえた。
「私は光樹くんと同じ高校でまたこうやって勉強したり、映画見たりしたいよ。」
「恵麻……」
光樹くんが優しい目で私を見ると、
その顔が少しずつ私に近づいてきた。



