幸い帽子は砂中には落ちてない。

-いける!-

大砲にかかっている帽子に手を伸ばす。

だが考えは甘かった。

予想もしていなかったモンスターの強烈なタックルで吹っ飛ばされる。

その衝撃で帽子が飛ばされモンスターの背中に引っかかる。

「くっ・・・」

ソウタは今は丸腰だ。受けるダメージも当然上がる。

そういえばさっきガブラスが空を飛んでいた。

その事実がソウタの不安要素を的中させる。

-出発前-

『ガブラスは古龍を呼ぶって言うから・・・ソウタ気を付けて・・』

『大丈夫だって!ポジティブに行こうぜ母ちゃん!』

『はー・・・』

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「ま・・・まさかコイツは・・・」

-古龍!!!-

そしてその不安は確信になる。

「気を付けろ!そのモンスターはダレン・モーラン、古龍だ!」

「やっぱり・・・」

ソウタは気を引き締める。

帽子は背中に乗れば取れそうだ。

「ソウタ!このまま行けばバルバレもペシャンコだ!」

「じゃあどうすれば・・・」

「救済信号を送る!それまで時間稼ぎを頼む!」

団長は焦っている。一刻を争う緊急事態だ。

「あの帽子には大切なものが・・・いや、今はそれどころじゃない!」

「とにかく時間稼ぎだけでも頼む!」

だがソウタは至って冷静だ。

「何言ってんだ団長!バルバれも助けるし帽子だってちゃんと取ってくる!」

ゾクゾクするような感じが体を駆け巡る。

初陣の相手に申し分なし!!

「さあ行くぜ!勝負だ!ダレン・モーラン!!」