駅を出たのは良いものの、迷ってしまっては本末転倒である。 方向音痴の私でも迷わないように駅からまっすぐ伸びた道を行くことにした。 そのまま歩けば防波堤に着くようである。 ろくに舗装もされていない道だが、周りに建物もなくアスファルトの照り返しもないので、時折吹く風がなんとも気持ちよかった。 田舎にいた時には早く脱出したくて仕方がなかったが、なるほど都会の人が老後は田舎に住みたがる気持ちも分かる気がする。