ボロボロと秋人の為に涙を流す愛を見て、胸が痛んだ。
だけど、同時に嬉しさで満たされていく。


……秋人はやっと、いいヤツに出会えたんだな。



今まで散々色々な女と出逢っただろうけど。

どれもこれも、全て秋人の上っ面だけ見ていて、中身なんてどうでもよかったんだ。


だから、秋人の全てを好きだって言った愛には秋人の側で秋人を支えて貰いたかった。


私は出来ないから。
私にその資格はないから。


どれだけ秋人の事を想おうが、もう叶える事なんてない。


世間体とか、色々な所為じゃない。


私は秋人にただ、幸せになって貰いたかっただけだ。


私の幸せは、願いは、それだけなんだ。



ただ、秋人が笑って誰かを愛せるならそれでいいんだ。










       【完】