初めて愛ちゃんを見た時。

正直なところ、特に何も思わなかった。



可愛い子なんて、他にもゴロゴロいるし。
それに、俺は姉貴以外好きになんてなれなかったし。


そんな愛ちゃんに興味を持ったのは、俺達の前で心底うざそうにしてる顔を見た時だった。



顔が全てって人が多い中で、愛ちゃんは俺達の見た目なんてどうでもよさそうで。
寧ろ、俺達を軽蔑の眼差しで見つめていて。


ああ、この人となら俺、普通の恋愛出来るかもしれないって思った。



愛ちゃんを好きになったら、きっと面白いだろうな。
それに、もしもダメになったとしても愛ちゃんは普通に友達として接してくれそうだ。



姉貴を忘れられるなら。

正直、誰でもよかった。