某日。


部活が終わった俺が、昇降口に向かっていると目の前に噂の人物を見付けた。


雪村愛。
季節外れの転校生。


初日、どうやら結城に気に入られてしまい、目立ってしまった雪村はクラスから浮いていた。

その翌日。
黒板にでかでかと悪口を書かれて、また噂になった雪村。


そして、更にはあの安達と付き合ったと知って、もう学校中雪村の噂でもちきりだ。


俺の好みではないが、反応が面白いから暇があれば話しかけている。
まあ、いつもは安達が守る様に隣にいるから話しかける隙もないわけだが。


あれって、絶対他の男への牽制だよな。
あんなに女にべったりしてる安達ってのを初めて見たから、正直驚いてはいるけど。


だから、余計雪村に興味が沸いたっていうか。



「なあ、いつ紹介してくれんの?」


そう、声をかけてくるのは同じサッカー部の安原。
目線の先にいるのはもちろん雪村だ。