『あっきーには俺、幸せになって貰いたいから』 「……ありがとう、新ちゃん」 『ん。それじゃあ明日』 「うん、それじゃ」 通話を終えた後、何も映らない携帯の画面を見る。 それから、ぎゅうっと携帯を握り締めた。 姉貴とじゃ、幸せになれない未来。 どうしたって一番望むモノは手には入らない。 今、一番望むのは。 そう、考えて心に浮かぶのは。 ――――――――――――愛ちゃんの顔だった。 【完】