【病院:亮】

中井先生『美咲ちゃん、少し光当てるね』
美咲の主治医が美咲の目にライトを当てる。美咲は死んだような目をしていた。
美咲の両親も後ろで見守る。
中井先生『......残念ながら、失明ですね。』
美咲は目を閉じた。美咲の両親は悔し泣きをした。
美咲の母『ごめんね、ごめんね美咲...』
美咲の父『......くっ、くそぉ!』
両親の方へ向く美咲。
美咲『ねぇ先生、あたしこれからもこうして生きていかなくちゃいけないの?』
中井先生『そんなことないよ。中には寛解の時に良くなってくる人もいるよ。』
美咲『完治した人は?』
中井先生『......それは、』
美咲『なんだ、居ないんだ。』
美咲の母『美咲、きっと良くなるから。』
美咲『お母さん、ごめんだなんて言わないで。ごめんって言うくらいならお母さんあたしと変わってよ。』
美咲の母『美咲...』
美咲『お父さんもだよ。お父さんがいくら悔しがったってあたしの病気治らないよ。悔しがる暇あるなら、あたしのために何かしてよ。』
美咲の父『......。』
美咲『...もう嫌だ』
美咲は立ち上がり、手で前を確認していきながら診察室を出た。
美咲の両親はその場に座ったまま動かなかった。
亮『俺、見てきます。』
そう言って俺も診察室を後にした。