【体育祭、文化祭当日:美咲】
そして、体育祭、文化祭の日がやって来た。
体育祭では、徒競走、ダンス、騎馬戦、組体操と色々なものが始まり、ついに二人三脚がやって来た。
亮は足に紐を巻いている。
亮『きつくないか?』
美咲『う、うん。平気。』
亮『美咲......』
美咲『ん、?』
亮『無理して走るなよ、?』
美咲『うん、ありがとう。』
スタートのピストルと共に走りだす。
あたしたちの息は物凄くピッタリでダントツ1位でゴールした。
その瞬間、あたしたちは笑顔になった。
亮が笑う顔なんて久々に見た。
午後は文化祭で、色々な所へ行って色々なものを見て、色々な物を食べた。



----ずっとこうやって続いてほしい。
この幸せが消えないでいてほしかった。
......なのにどうして...



【帰り道:美咲】

亮と二人、歩幅合わせて歩いていた。
美咲『楽しかった~!』
亮『やっと元気出たな。』
美咲『え?』
亮『ここ最近ずっと元気なかったろ。』
美咲『ありがと。』
亮『は?』
いつも傍に居てくれて。そう言うつもりだった。けど、お別れみたいだったから言わなかった。
亮『美咲?』
美咲『ん?』
亮の方へ向いたとたんにキスされた。
びっくりして思わず顔が赤くなる。
美咲『ちょ、ちょっと!こんなとこで何してんの?』
亮『嫌?』
美咲『い、嫌とかじゃなくて。』
てか、もうすぐ家じゃん。
美咲『じゃあまたね。』
亮『美咲、俺んち来る?』
意地悪な顔で見てくる亮。
美咲『い、行かない、』
あたしは急いで帰った。
美咲『はぁ、心臓に悪いのはあいつだ。』
自分の部屋へ行き、ベッドに横たわった。
すると、亮からの着信が入った。
美咲『もしもし、?』
亮『美咲?今からそっち行ってもい?』
美咲『え、どうしよっかな。』
亮『なんだよそれ。』
突然頭痛がしてきた。
美咲『う、』
亮『どうした?』
美咲『いや、頭痛がして』
亮『大丈夫か?』
美咲『う、うん、』
頭の中で何かが回転してるような気分になり、目の前が真っ暗になった。
倒れた訳じゃない。気を失った訳じゃない。それなのに何も見えなかった。
亮『美咲!?』
あたしは電話を切って床に座り込んだ。

《失明》......先生の言葉を思い出す。



#3 完