「月、住む世界は違うかもしれない。でもね、月にだって居場所があるでしょ?」


「俺には居場所なんてねぇよ」


私は首を横に振った。


「私が高校卒業するまで待ってて」


「どういう意味だよ......」


「こういう意味だよ」


私は月の頬にキスした。初めてのキス。


「私達の居場所を作ろう」


月は優しい目で頷いた。街の雑踏の中で私達は、ようやく見つけたんだ。


自分の居場所を。