神が奪ったモノ



稽古は真剣は万が一があってはということで鞘に納めての稽古になった。


「剣さばきが甘い! もっと鋭く、研ぎ澄ませ!」

ガン、キンッと剣をぶつけながらアインは指摘する。


「たあぁああ!」


向かってきたレーベンの剣を受け止めつつ。


「そんな構えじゃ――」

剣を合わせていた横合いから。


「ガァッ!」


「蹴りが来るよ」


アインは鋭く蹴りを放つ。


レーベンはアインに横腹を蹴られ、ズザァと吹っ飛ぶ。


「ゲホッ、ゲホッ」


レーベンは方膝を立て、蹴られた横腹を押さえ咳き込む。


「一応手加減をしてたけど、立てる?」


レーベンを起こそうと、アインが左手を差し出しす。


「あぁ、大丈――なんてな!」


レーベンは剣を素早くアインに向け放つが。


「だから甘い!」


アインの剣を下から突き上げ弾き飛ばす。


くるくると回った剣は草むらに当たって止まる。

シュッと剣先をレーベンの首に向ける。


目を丸く開いていたレーベンは降参、と両手を上げた。


それに伴いアインも剣を下ろす。


「はぁ~あ。やっぱ強いなーアイン」


レーベンは腰に付いた土を払いながら立ち上がる。


「レーベンが弱いんだよ」


「あ、言ったなこの野郎!


今に見てろよ。絶対に勝ってみせるからな!」


「できるかな?」


アインは挑発するように微笑む。