「ってのは嘘で、昇降口出たあたり。」


陽翔は意地悪に笑った。


宙子はかっと顔が熱くなった。


「え!?」


「俺嘘つきだし?」


陽翔はわざと拗ねたように言った。


「え、いやそのそれは私が思ってることじゃなくて…!!」


宙子は涙目になっていた。必死に弁解する。


陽翔はその様子にフフ、と笑うと、宙子の髪をくしゃっとなでた。


「ごめんごめん、分かってるよ。」


そのまま、宙子が落ち着くまでなでなでする。


「よく、勘違いされるんだ。軽く見えるからかな?

意外と考えてるんだけどなぁ。



…てなったすぐ、話しかけようと思ったんだけど、ひろが俺の事で泣いてたから入り損ねた。こっそり聞いて、ほんとごめん。」


真面目な様子の陽翔を宙子は見つめてしまった。





「えー、コホン。」


郷愛がわざとらしい咳払いをした。


「二人の世界に入るのはいいのだが、私をわすれないでくれたまえ。」



「わ!ごめん郷愛!!」

宙子はあわてて謝る。


陽翔も「ごめん」と悪びれもせずに謝った。





3人は大量のうまい棒を引っさげて、学校へと戻った。