君のために歌う歌


「あれ、なんだろおかしいな……。」

宙子は涙をいそいで拭った。


「ほんとにどうした。」


「……秋乃ちゃんたちが、陽翔は嘘つきだから好きにならない方がいいって……。」


宙子は絞り出すように言った。


郷愛は目を見開いた後、


「ばっかでえ!!!」


と大声で言った。


「なぁ宙子よ、あんたの知ってる陽翔は嘘つきか?

宙子を傷つけたか?



それであんたの気持ちは変わるのか?

ねぇ!!」



必死の形相でそう言う郷愛に、宙子はふるふると頭をふると、微笑んだ。


「ありがと郷愛、ごめん、大丈夫。

私の気持ちは変わらないよ。


ただ、思ったより傷ついてたみたい私。」



郷愛は一瞬何かを言おうとしたが、何も言わずに宙子の肩を抱いた。



「ブラザー!あんたは優しすぎんだよ!陽翔の分まで傷ついたんだ。

泣くほど辛いならすぐあたしに話しなさいよー。」


そう言って、抱いた肩をポンポンと叩いた。


「……ありがと郷愛。気が楽になった。話して良かったし郷愛が友達で良かった。」



「やめろ照れるじゃねぇか。」



2人は笑いあいながら歩いた。