少しだけ自分の世界に入りかけていたのを
止めて、辺りを見渡すと、先程私に
ここにいる人たちが青龍なんだと打ち明けた眼鏡の男に向き直ると…
その男も疑問に満ちた表情をしていた。


イヤイヤ…そんな顔されてもこっちが困る



『あのー…用がないなら、私いきますね…。』





答えを待たずに私は屋上を出ていった。





その頃、屋上に残された人たちは…


『行っちゃったね~、あの子…。』

『マジで意味分かんないな…。』



ずっと一部始終見て、黙っていた
空と純はもう出ていってしまった瑠那の面影を追っていた。

『スッゴいよね~、俺らを知って何とも思わない…てか興味を持たれないなんてっ…ぷっ…。』

空の言う通り、青龍と知って興味を持たれない事は無かったから可笑しくなるのも当然だ…。だが空は笑いすぎ…。

『…変な子だけど、ああいう子良いね。』


やっと笑いが止まった空は
呟くようにそう囁いた。


『あんなのハッタリだ!!俺はあんな奴を受け入れねぇからな!!!』

女にはレオと同じく相当嫌いだと感じてる純には苦痛にしか感じないだろうな…。




『レオ…彼女を認めるかは、まだ考えてはどうですか?』

冷静に言葉を判断して優はレオに聞いた。








……





沈黙が、彼等を包み込み…







レオが答えを出した…。









『あいつが白か黒かなんてどうでも良い、ただあいつが夢と同じ同一何だってことは信じる。あいつが俺の目の前に現れた…てことは、何か縁があって会えたんじゃねえかって思う。あいつを突き放すなんて出来ない…。それに…






あいつも闇を知ってる眼をしてた…。
お前らと同じ、心に傷を持ってるんだ…

しかも…





ただの直感だが、あいつは俺達より相当深い闇を抱えてる…。


救ってやりたいんだよ…。』






いつもの俺らしくねえ言葉に
こいつらは引いてないか不安になったが
俺がいった言葉は本気で思ってる…。




またあいつは…夢ん中で泣くのかな…




澄みきった空には雲一つなく
こっからだと瑠那のクラスが見えた…。

早速、女に声をかけられては素っ気なく
相槌を打って、一定の距離を保ち続けてる様子が伺えた…。


俺が気づかないとでも思ってんのか、


あいつが、瑠那が人を避ける理由は分かんないが、確実に人を自分に近づけさせないようにしてる…しかも無意識でもだ…。

お前の過去を洗いざらい見てやりてーよ。


どんなことでも、
受けとめる自信がある。






俺なんでこんなに一人の女に対して執着してんだ…。


嫌…そんなこと自分自身が一番わかってる…。


あいつの存在事態が俺を惹かせるんだ。

もっとあいつの事を知りたい…。




俺の中で熱く燃え上がる

“初恋”なんていう、甘いものじゃなく
“愛”の方が近い気持ちが

俺の心を踊らせた…。




もう昼時か…瑠那を誘って、食いにでも行くか…