目が覚めると、
黒い部屋の中で俺は包帯を巻かれた姿をしていた。脇腹の悲鳴をあげる…。
ここは…
どこだ…?
此処が天国ならマジ笑えるな。
ガチャッ…
『目が覚めたか…。』
俺は扉が開いて人が入ってきたのに気づくと、此処が天国じゃないんだと気を落とした。
……あんた、誰だよ…。
今さら男を見ると、
男の容姿に男の俺でさえ惹かれた
綺麗な黒髪…
透き通るような白い肌…
全てを見透すような鋭い瞳…
そして何よりも、
威圧的な支配をするような気迫…
『…龍崎、レオ』
この時レオは俺に青龍という族を俺の居場所にしてくれた。
さらに学校にまで行かせてくれた。
不自由がない程度に生かせてくれた。
レオに助けてもらえなかったら
今頃俺は、どうなってたのだろうか。
考えるのでさえこえー。
本当に感謝してる…。
レオは相当な女嫌いだった。
唯一夢の中の少女だけは許せたらしい。
レオを唯一怖いと思うならそれはレオのなかの“野獣”のことだと思う。
レオは優しいし暖かいし
統率力あるし、憧れるし…
だけど野獣は冷えきった感じで、
冷酷、残虐で、恐怖そのものだと思う。
だから、
それに耐えられて抑え込めるような女なんて存在しないと思ってた。
いつも通りに屋上の溜まり場で
皆と合流してると
最後にレオがきた…
その腕のなかには“女”がいた
本当にマジで信じられなかったけど
レオが選んだ女だからきっと言い奴なんだと優には内緒で思った。
レオのことを信じてみたい…。
~ Natu side 終 ~

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