楔

～Runa side～

私は今日からこの帝桜高校に入学した。




ここなら知ってる人は勿論、
友達を作らなくてもやっていける高校。


私はあれから、
いっさい阿里沙と直樹の親と
関わんないように気をくばり、
人とは縁を持たないようにした…。


……。




もとから、
関わっていたのは阿里沙と直樹だけだけどね。



だから、





独りなんて馴れてる…。






孤独なんて言葉ばっかりで、
悲しくなんてない。



少し親しすぎた二人が居なくなったから、
心に隙間が空いたくらいで、



ちょっと寂しいだけ…。






この高校には私みたいな平凡が関わらなくて良いような組織で集まってる。




そこだけは感謝したい。












そんなことを考えながら、
校門を通りすぎていった…。





この時、
校舎からめちゃくちゃ速いスピードで
此処へ向かう姿があったとは
この時の瑠那には気づけなかった。