#1

薄明かりのついた廊下に、俺の足音が響き渡る。
仕事が終わりロッカーへ向かう道中、俺は毎日同じことを願っている。


・・・どうか、どうか今日は入っていませんよ~にッ!


そして目的のロッカーを目の前にして、ドキドキしながら数秒間と立ち尽くす。

よし、いくぞ...!
俺は覚悟を決めて取っ手に触れた。

指先から伝わるヒヤリと冷たい感触に、悪寒が走る。

頼むから、入っていないでくれと懇願しながらロッカーを恐る恐る開くと......

キィイイ、

金属の軋む音が鳴り響き、
___その直後。

ガサガサと雪崩の如く落ちて行く手紙の数々が俺の足元を埋めた。


「はぁ、ぁあ"ー!また、今日もこんなに…、」

俺、早乙女弘樹(サオトメ ヒロキ)は女子生徒から過剰に…………

____モテる。