「俺は気にしてないけど」
「あ……そう、ですか」
どうしよう……何を話せばいいんだろう。
わたし、さっきの対話とかおかしくなかったかな。
素っ気なかったかもしれない。
あぁ、泣きたい。
「ん、」
「………?」
急に差し出された手に内心首を傾げ、わたしは躊躇いながら顔を上げる。
この手はいったい……?
「本、笹本(ささもと)さんの身長だと届かないでしょ」
戻してあげるから貸して、と言う木嶋くんにキュンとした。
こういうさりげない優しさに、周りの女の子は惹かれるんだろう。
(わたしも例外ではない)
…………ん?
今、木嶋くん、わたしの名前呼ばなかったか?
あれ?と考える前に木嶋くんに催促されたので、あわわと持っていた本を木嶋くんに渡す。
わたしとは違い、危なげなく本を戻す木嶋くん。
身長が高くて羨ましいな。


