「おちた?さっきの大きな音か? 本でも落としたのか?」 「そういう意味じゃねぇよ」 なんとか顔の熱も引き、伏せていた顔を拓に向ける。 「落としたのはそうだけど……オチた」 「うん。意味が分からん」 何がオチたの?と聞く拓に少し躊躇って。 「……多分、俺が」 「うん、俺が?」 「恋に」 「こいに?」 「オチた」 「……おちた?」 おうむ返しにそう言った拓の顔が意味を理解した途端。 俺は幼馴染みの勘から先を読み、思いっきりその口を塞いで恥をかくのを防いだ。