そのまま廊下を歩いて、屋上に向かう。
うわぁ、屋上とか初めて行く。
花香ちゃんは慣れているのか、一番上まで階段を登りきると、ためらうことなく重たそうな扉を開けた。
太陽の眩しい光が入ってきて、目をこらす。
「あ、花香!こっちこっち」
低い声が花香ちゃんを呼んだ。
花香ちゃんはその人に返事をして、私の手を掴んでそちらに向かって歩き出す。
太陽の眩しさになれて、ようやく視界がはっきりする。
「はい、花香。ありがとう。おいしかったよ」
「家に帰ってからで良かったのに」
「今日、遊んで帰るから遅くなったら悪いし」
花香ちゃんが男の子と話している。



