「あれ?陽菜ちゃん?」 大希くんの後ろの方から、私の名前を呼ばれる。 ハッとして、私は大希くんの横を通り過ぎて、その人物に駆け寄る。 「うわっ」 そのままの勢いで抱きつく。 だけど、私が泣きそうなのを見て、離すことなく背中に手を回してくれた。 「奥村先輩っ……」 「どうしたの?」 「元カレ……急に絡んできて……」 「ふーん」 奥村先輩はなんとなく察してくれたのか、私の頭に手を置く。 優しく撫でてくれたあと、少し体を離した。