正直、あの時は大希くんに揺れた。
翼先輩の気持ちが分からなくなり、大希くんの気持ちが痛いほど伝わってきて。
私だって、大希くんのことが大好きだった。
すごくすごく好きだった。
でもあの時は、翼先輩と距離が開いてしまったことによる寂しさで、大希くんに甘えてしまったのかもしれない。
「今日は楽しみましょ!
あたしがいっぱい連れまわしてあげるから」
「え、わっ」
突然大きな声を出した花香ちゃんは、私の手を掴み足早に歩き出した。
そして、縁日で騒いで、お化け屋敷で叫んで、軽音部の演奏で盛り上がったり。
私を元気づけようとしてくれてるのがわかる。