やめて、お願い。 これ以上私を乱さないで。 「陽菜」 そんなに寂しそうな声で私の名前を呼ばないで。 離れなきゃいけないのに。 拒否しないといけないのに。 抵抗できなくなるから……。 「陽菜、戻ってこいよ……」 最後に切なそうな表情を見せた大希くん。 だけど、その表情はすぐに見えなくなる。 鼻と鼻がぶつかるほど近い距離に大希くんの顔がある。