「先輩……?」 先輩を呼んでみても、私をジッと見つめるだけ。 「奥村先輩?」 もう一度呼ぶと、クスッと笑う声。 どうしたんだろ? 「キスしてほしいなら、自分から頼めよ」 「なっ!」 イジワルに笑う先輩に、再び顔に熱が集中する。 私がキス待ちなの、バレてた……!? 恥ずかしすぎて俯こうとするけど、先輩の瞳がそれを許してくれないかのように、捉えて離さない。