目を合わせられなくなり、少し伏し目がちになる。 通学路だからいろんな人が通るのに、私は何してるんだろう。 恥ずかしいってもんじゃないよね。 先輩がここに引っ張って来てくれて良かった。 「ふっかわい」 先輩は私の手を離して、その手を肩に回し引き寄せる。 汗が混ざった先輩の香りが鼻をかすめる。 この匂い、好き……。 少しの間抱きしめられていて、ふいに腕が緩むから顔を上げた。 お決まりのパターンだと思い待っているけど、なかなか来る気配はない。 不思議に思い、小さく首を傾げる。