私も少しして、自分の席に戻る。 「陽菜遅い!次は男子の借り物競争だよ」 「あ、そうなんだ」 「男子のお題は好きな異性とかあって、すっごく盛り上がるんだから」 好きな異性……か。 『陽菜……好き』 さっきの先輩の言葉を思い出す。 告白されて以来に好きって聞いた。 誰かに想われてるって嬉しい……。 大希くんの時は私だけだったもん。 今、私は幸せ者だな。 「あ、始まった」 「ほんとだ!奥村先輩もいる!」