4度目の花火大会。
何事もなく終わるはずだった。

花火大会当日。紗菜は初めて尚人の両親に恋人として紹介された。

帰りが遅くなるのでシティホテルに泊まることにした。

人混みをかきわけて距離のある駐車場まで歩いたので、二人はほどなく眠りにつく。

先に目が覚めた紗菜が帰り支度を始める。
尚人はまだ眠りの中にいる。

尚人 ユア…

尚人は寝言で女の名前を叫ぶ。
紗菜は尚人の言葉を信じていた。
愛してるのは紗菜だけだと言ってくれた尚人…

紗菜は尚人を起こし、問いただす。

尚人は、根負けしてユアからのメール全てを紗菜に見せた。

尚人。ギュッ。
今日は、何色の下着?
ブルーだよ。
いいね。
尚人、彼女できた?
彼女?できてないよ。

尚人は、紗菜と付き合う前にユアという彼女がいた。
紗菜は深く傷ついた。
紗菜は尚人が許せなかった。
紗菜は、もう一度尚人のうちに行きたい。そこで自分の口から二股をかけていたことを両親に伝えてほしい。その上で別れたいと尚人に伝えた。

尚人は、母親に自分の口から浮気をしたことを告げる。
尚人の母は、尚人を非難し紗菜にあやまる。
尚人は、紗菜を選んだといい紗菜との別れを拒んだ。

それから数ヵ月後、紗菜の親友が尚人のコメントをあるサイトで見つけた。

県南かぁ。県南ならすれ違ってるかもね。

見かけたら虐めてあげる。

紗菜は悲しくなった。
心を入れかえると何度も言って同じようなことを繰り返し、紗菜をとことん傷つける尚人。
愛してないなら別れればいいのに、なぜ自分に執着するのか紗菜には理解できなかった。

クリスマスをむかえようとしているある日、紗菜の下腹に激痛がはしる。
異常を感じた紗菜は婦人科を受診した。

ドクターから、クラジミアに感染していること、炎症は子宮にまで達し不妊症の可能性があることを伝えられた。
彼氏も感染の疑いがあるので泌尿器科をすぐ受診するようにと言われたので、尚人に連絡をする。

抗体がないので初めての感染であること、相手に感染させられたことをドクターから聞かされ、不妊症かどうかの検査もすすめられていた。

好きな人の赤ちゃんが産めない。女じゃなくなったようで深い悲しみに堕ちていった紗菜…

愛すれば愛するほど傷つけてくる尚人に、紗菜は両親にありのままを話してほしいと泣きながら尚人に訴えた。

尚人は、自分を守りたい。それだけを考えているように思える。なぜ?愛しているなら、彼女である紗菜を守り大切にするべきでは?

紗菜は混乱し、尚人に思いをぶつけた。