家に着きドアに手をかけると後ろから名前を呼ばれた。
「千春っ」
振り向くとそこには近所の幼馴染のお兄さんがたっていた。
『慶太くん』
どうだったの？と聞いているような顔をしている。
慶太くんは昔から遊んでもらったり、勉強を教えてもらったりしていたから、進路相談のこともしっていた。慶太くんにももちろん進路相談をするつもりだったからちょうどよかった。
「家来る？」
慶太くんは自分の家を指し言った。
私は軽く頷きそのまま慶太くんと慶太くんの家へ向かった。向かったと言っても10秒程度でつくくらいの距離だ。
「どうぞ」
玄関のドアを開け慶太くんは言った。
『お邪魔します。』
リビングに通され慶太くんの向かいの椅子に座る。
慶太くんは飲み物を私に渡し顔を覗き込みながら聞いてきた。
「何処うけたいの？」
私はさっきまでの母のように下を向いて言った。
『慶太くんの学校』
チラッと慶太くんを見たが案の定驚いていた。自分でも無理があるかもしれないと思うけど、それでもどうしても行きたい理由がある。
『好きな人と同じとこ、、、だから』