「七瀬さんには難しいかと」
先生の発言で母の顔は下を向いた。
今は中学3年の冬
受験という名の強敵との戦いが私たちにはまっていた。
『でも、ここに行きたいんです。』
大きめの声で先生をまっすぐ見ながら言った。
すると先生は悩みこむように下を向く。
進路相談の時間はその間に過ぎていき次の人と交代になった。
私は学校を出て、買い物に行く母と別れ1人家へとゆっくり歩いた。
いい天気だけど、空なんて見る気になれなかった。