【奏!後、少しの辛抱だから耐えろ!】


鎧の大きな声が聞こえた。



あと…

後、少しで…

あと少しでこの第七層目を超えるんだ…


私は鎧の声に頷き後もう後、少しでここを抜ける!


そう思った時…




[奏!]


「かなで!!」


〔奏!!〕


〈奏!〉


母や父…

兄や姉の声が聞こえた…



[奏!帰ってらっしゃい!!]


母の声がし…



「奏!行ってはいけない!戻って来るんだ!」


父の叫ぶ声が聞こえ



〔奏!戻って!!〕


兄も必死に止め様と叫んでた。



〈奏…。お願いだから戻って来て…〉


姉の泣きながらの声を聞き…



私は動揺を隠し切れず陣が激しく動き揺れだした。



【奏!しっかりするんだ!残留思念を取り払え!!でないとお前はここで消滅したいのか?!我等と住む世界に行くのであれば己に打ち勝つのだ!そして精神を強く持て!】


鎧の必死な声が聞こえた。



「奏!行くな!こちらに戻って来い!」


父の声が聞こえ…



ダメだ…

私…

きっとまだ未練があるんだ…


動揺は収まらず印を結んでるにも関わらず父の声はずっと私の頭の中に入って来てた。