あの壊された社の名前が判明した。


『唐地寺』


とうちてら…


地神を奉ってたと言う事も直ぐに判明した。


壊された理由を分かり私は絶句した…


建てられたのは昭和初期。


洪水や土石流、色んな災害に見舞われてた時に水神と地神を奉る為あの場所に地神を奉納したと言う話だった。

一旦は災害を逃れたらしいけど…


また何人もの人が亡くなり命を落としたと言う事も話してくれた。

そしてあの社で人が殺された事も…



…………………。


通り魔の仕業だと言う話しだったけど…

村の人達は次々、同じあの社で殺されそして姿を消す人も増えたと…


怖く成った村の人達が取り壊しを推進したと言う事。

そして取り壊しの時も事故や病気で人が一人また一人と減って行った事。


そしてついに壊されてしまったと…



本当に聞いてて涙が出そうに成った…



地神のせいじゃ無いのに地神のせいにして社を取り壊したなんて…

地神は何も悪い事をした訳じゃない…


私は話を聞きながら俯いてた…


「奏…」

父が私を呼んだ…


私が顔をあげると…


「大丈夫か?顔色があんまり良く無いけど…話を聞くのは止めとくか?」

父のこんな言葉を聞いた事が無かった…


いつも私には厳しい父なのに…