「こんな時に考え事をしてたのか?」

父の問い掛けに答えられない私…


「今はちゃんと集中しないと奏お前にモノが憑いたら大変に成るんだから奏ちゃんと集中しろ。」



父に怒られてしまった…


怒られて当然なんだけどね…



私は気合いを入れ直した。



父曰く…



取り壊された…

と言う事だった。



普通、取り壊しをする時に神抜きをしてお祓いをしてから社などを壊す。

社を壊す事は通常ではあり得ない話なんだけども…

修繕、修復を普通は行うんだけど…


取り壊したんなら…


…………………。


そりゃ怨まれても憎まれても仕方が無いじゃん…

私は素直に思ってしまった…



理由がどうあれ…


きっと神抜きもお祓いもしないまま社は取り壊されたに違いない…


でないとこんなモノがウロウロしてる訳が無かったから…


こんなモノ…


それは壺の中に居る私が先ほど質問をした相手の事を指してる。



あの方は身分の高い人だと解る。
位の高い人だと…


そして水神や火神や風神と同じ神の部類だと言う事も…


それを探る為に私達は今この社に来ていた。