莉杏side

ーピロン。

それは唐突に前触れもなくなった。

いつものように携帯を手に取り開く。

(今宮 徹に追加されました。)

誰だろう。グループから追加したのかな。

その程度にしか思わなかった。

そして、そのあとすぐにまた効果音がなった。

ーピロン。

(おーい。俺だ。今宮徹。覚えてるか?)

全然思い出せなかった。既読してすぐに返信した。

〈すみません。覚えていません。どこかで 会いましたか?〉

すぐに既読がつき返信が届いた。

(名前を聞いても思い出せないか?苺飴、おぼえてるだろ?)

何も思い出せない…よし。ほっとこう。

こうして、携帯を閉じた。