____その翌日のこと。



「はよ。杏奈」



「え、りょ、涼?」


ガチャと、玄関を出るなり、ぶっきらぼうに立っている涼がいた。





「迎えに来た。…一緒に学校いくぞ」


涼の家から私の家までは、自転車でも二、三十分はかかる。


もちろん、付き合ってから今までこんな風に迎えにきてくれたことなんて一度もなかった。



なのに…。



戸惑いつつも、自然と笑顔になり頷いた。