「あっ…杏奈‼︎…どこにいたの?ビショビショ、だよ…?大丈夫?」 真っ赤に目を腫らしたいおが、授業中だというのにも関わらずバッと立ち上がってそう言った。 「……大丈夫」 身体がだるいせいもあってか、自分でも驚くほど低い声が出た。 「杏奈………っ」 カバンに教科書とか必要なものを全部詰め込む。 いおの今にも泣きそうなか細い声を無視して。