__スタスタスタスタ…

早足の流可の歩調に懸命に合わせる私。

「るっ…流可…!」

ついに耐えきれなくなって流可を呼ぶと、

流可は私を空室に引っ張り込んで、

私の方を見て肩を掴むと、

なにを言われるのかビクビクしていた

私に予想外の言葉を言った。

「優奈、なにかされてない?」

「え?」

驚く私に流可は言葉を繋げる。

「怪我は?何かされたか?」

「えっ、ちょ、流可?」

「優奈、あいつに…触られた……?」

流可の瞳は真剣で、

本気で私を心配している目だった。

私はなぜか高鳴る胸を抑えて口を開く。

「……嫌なことは…ちょっとキツイ言葉言われただけ…。
酷いことも…される前に流可が来てくれたから…」

そう言うと流可はほっとしたような

表情を見せて、

そっと私の肩を撫でる。

「…で?触られた?」

「触られたってほどじゃ…ちょっと手とか腕とか…きゃっ…!」

私が全てを言う前に、

流可が私を抱きしめた。