グッと胸倉を掴んだ。

「…てめぇまだそんなこという元気あったのかよ?」

「っ…」

その人は再び怯えて震え始める。

「あと…」

流可は震えるその人を鋭く射抜いて

口を開く。

「…できる。
俺は、優奈を守るためならなんだってする」

流可のその声は真剣で、

脅しや凄みはまったく含んでいなかった。

ドキン…

その言葉になぜか鼓動が痛いほど跳ねて、

流可から目が離せなくなった。

流可はバッとその人の胸倉を離して

立ち上がる。

「…今お前やあいつらが生きてんのは奇跡だって…そう思っとけ」

そう言うと流可は私のもとに来て

スッと立ち上がらせてくれ、

私の手を引いたまま教室をあとにした。